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堅苦しい事を書いている訳でもないのでテキトーな名前に改名。
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ハマハマハマハマだった。タナ公ほど酷くはなかったけど。


話のネタに、過去に作るつもりだったファンタジーもののSS形式ダイジェストでも晒して見る。
いつもの如く、最初と最後のみと途中の出来事がキングクリムゾンで吹っ飛ばされているのは仕様さ。
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――男が居る。一人の男が、嗤っている。
昏く低く、歓喜でもあり憐憫でもある嗤い声をあげている。
長かった苦労が報われようとしている。
長かった苦労を報おうとしている。
準備は整った。
時は正鵠を穿つ。これ以上待つ事はできず、これ以前に行う事もせず、ただこの時のみを待ち続けた。
ならば始めよう。
己の集大成を、時の審議にかける。認められようとも、認められずとも、おそらく意味など無いのだが。
それでも男は嗤うのだ。その目は果てを見ているのか、それとも今に縛られるのか。
誰もわからないままに、幕は開き始める。

その日、一人の少女がこの世界に現れた。
異世界と呼ばれる概念を持ち込み、見知らぬ世界にただ怯える少女。
男はその前に現れ、彼女の役割を告げる。
戻りたければ、全ての課題を達成せよ。それが汝の歩むべき道である。
その言葉に縋り、少女の旅は始まる。

旅の途中、少女はさまざまな人と出会い、別れてゆく。
別れぬまま、その旅路を共にする者も現れる。
神を神として視ぬ神官が居た。
復讐の為に生きる魔女が居た。
自己記録を失った道化が居た。
正義を力に求めた戦士が居た。
生まれを忌み嫌う銃士が居た。
少女は彼ら、彼女らと共に生き、そして学ぶ。
笑いを、涙を、怒りを、悲しみを、生きている実感をこの世界でも覚え、そして自分を見つめ直してゆく。

旅が終わりに近づくにつれ、世界は異変をきたしてゆく。
天変地異が地を飲み込み海を荒らす、天が晴れる事も少なくなる。
そして少女は気付く。己に課せられた真の役割、二つの世界を繋ぐ楔。
世界と世界、想像を絶する質量と存在の激突は両者を破壊し新たな界を生み出す。
全てを、世界を、破壊して、壊し尽くして。
遅すぎた発見に、男は嗤う。それは歓喜の嗤いであり、憐憫の嗤い。
全ては予想通りだと、その顔が語る。手のひらの上で踊らされていた絶望が、彼女を襲う。

旅の仲間が、彼女を救わんと働きかける。まだ遅くないはずだと、諦めずに立ち向かう。
次々と男によって打ち倒されてゆく仲間達は、しかしそれでも立ち止まらない。
自分が愛する世界だから。自分が生まれた世界だから。
故郷の為に、彼等は敗北の果てにある勝機を目指す。
少女には戦う理由がない。男は嗤う。少女の世界は、少女の存在を拒絶したのだと、嗤う。
落ちこぼれだと言われていた少女。
頑張っても頑張っても報われる事なくただ徒労に終わっていく自分。
それを繰り返していく内に、少女は心のどこかで諦めるようになっていった。
努力をしても努力をしても報われないとわかっているから。
諦めは知らぬ内に絶望を産み、絶望が希望を侵してゆく。
男は言う。憐憫を含む嘲笑を持って、何故少女がそのような世界を守る為に戦わねばならぬのかと言い放つ。
肉親の情が彼女に何をしてくれたのか、友情などそもそも成立していたのか、拒絶したのは世界ではないか、ならば彼女が世界を守る義理など無いと、高らかに謳う。

少女は否定できない。
自らの全てを暴き出され、その上戦う事など出来ようも無い。
だがそれでも、体が動いた。
心では全ての滅びを望んでいたとしても、体が動いた。
眼が仲間達を見た。
倒れて、倒れて、それでも諦めずに立ち向かう仲間達を見た。
涙が零れた。

戦う理由が、そこにあった。

世界などどうでもいい、と少女は涙を拭いた。
確かに私は拒絶されたのかもしれない、と少女は立ち上がった。
そうでなかったとしても、私の努力が実らなかった事に変わりはない、と少女は剣を取った。
だから私は私の世界が嫌いなのかも知れない、と少女は剣を構えた。
そして彼女は笑って言った。
けれど、私はこの世界で会った、この人たちが好きだから。だから、この世界の為に戦うのだ、と。

傲慢ですらあるその言葉は、しかし偽りのない本心からくる真実。
少女はかくして剣を取った。
男は憎々しげに少女を睨む。

こうして、物語は終わりを告げる。
全ての結末は、またいずれ。

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昔のものを掘り返すと、たまにこういうものが見つかるから恐ろしい。
生涯一厨房です。
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